世界の果て


「君って、大人っぽいよね。」
「あなたこそ。」

「でも、世界の果てを見たいってとこが子供っぽいな。」
「叶えられるか分からない、帝国を倒すという夢を持っているあなたも子供っぽいですね。」

「確かに僕は子供っぽいよ。でも、叶えられない願いじゃない。」
「そうかな?僕には判断できません。まぁ、子供っぽいって、解放軍の人たち全員に当てはまると思いますよ。叶うか叶わないか分からない夢を見ている。」

「君も?」
「僕もですね。」

「なぁ、どうして解放軍に入ったんだ?」
「地図を完成させるのが僕の夢です。帝国はこんな子供に頼らない。」

「解放軍は、君みたいな子供に頼らなくてはいけない、ってことか。」
「そうですね。」

「地図、完成したら見せてくれる?」
「いいですよ。」

「世界の果てがどうなっているのか知りたい。」
「そう言うことなら嫌です。」

「なぜ?」
「世界の果てぐらい、自分で見に行ったらいいじゃないですか。」

「きついね。」
「あなたに対してはそうは思いませんけど。」

「うん、心配してくれてるんだね。」
「分かってるのなら言わないでください。」

「それでもさ、ありがとう。」
「ええ。・・・・・・必ず、世界の果てを見に行ってください。」

「さぁ、それは分からない。世界に果てがあるのかもわからないし。」
「天邪鬼ですね。」

「たぶん世界の果てを見に行くよ。」
「急に素直になられても怖いですよ。」


それから数ヵ月後、地図職人は世界の果てを見るたびに出た。
軍主をしていた彼もまた。

その二人はデュナンで思わぬ再会をする。

まだこんな所にいたのか、と言い合いながら。


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