約束
「死ぬのかな。」
そう思った。
誰かとした約束があった。
「いつか、出会うから。そしたら友達に、うぅん、親友になるから。」
そんな約束をされたことがあった。
それは遠い遠い昔で、もう忘れてしまったけど。
「いつかダチになってやるよ。」
そういったのはつい最近だった気がする。ほんの数年前。
確か、赤月帝国に行ったとき。
一人の子供が立っていた。
その子供は一人だった。
そして遊んでいる子供たちを見ていた。
「お前は行かないのか。」
通りすがりってこともあってついその子供に声をかけた。
「いいんだ。」
ふい、とそっぽを向かれる。
赤い胴着に緑のバンダナが特徴的な子供だった。
「僕を気にして遊ばれるより、見ていたほうがましだから。」
「は?」
よく分からない答えに首をかしげる。
「とにかく、いいんだよ。」
言葉は普通だったが、何かを我慢しているみたいな、泣き出しそうな、そんな目をしていた。
「それとも、それとも、お兄さんが・・・。うぅん、なんでもない。」
その言葉に何かいいたそうにしていた。
「あぁ〜。」
俺は何を言いたいのか見当がついたけどとどまるわけにはいかなかった。
「そうだな、いつかダチになってやるよ。あーもう一回会うことがあったら、な。」
「約束だよ。」
テッドは目を閉じた。
そこへ大きな影がかぶさった。
「まだ、生きているようだな。アレン、グレンシール運んでやってくれ。」
約束が守られるまであと少し。
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