ひと時


坊→シキ 2主→ソラ 4主→カイ 5主→コロナです

◇◆◇

空が白く、そして明るくなってくる。
海はその白さを受け、明るく眩きだす。
本拠地の甲板で群生諸国のリーダーを務めているカイは大きく伸びをした。
まだ、見張りをしているもの以外誰も起きていない。

静かなこの時間がカイは好きだった。
厳しいようで優しいこの時間が。

さぁ、太陽が昇りきったなら、また忙しくなる。

◇◆◇

朝日が、本拠地に差し込む。鳥の声がし、魚がはぜ音がする。
「今日もいい天気ですよ。」
そう言ってゲッシュが畑になった野菜を渡してくる。
ロードレイクが干上がっていた時には考えられない笑顔。
この笑顔が戻ってよかったと思った。

◇◆◇

のどかな太陽が同盟軍本拠地を照らす。
ぽかぽかと暖かい陽気は甘い眠りを誘い出す。
同盟軍盟主ソラは姉のナナミと一緒に丸くなって木の下ですやすやと寝だした。
ネコやらムササビやらも集まって添い寝する。

いつもは口うるさい軍師も今日は珍しく、誰にも見つからないようにしながら二人に毛布をかけたのだった。

◇◆◇

子供たちは手を繋ぎ帰る時間、オレンジ色の輝く太陽が長い長い影を作り出す。
美しい光景にトーマスはほっと一息つく。
今まで書類を片づけていて忙しかったのだ。
そこにセシルが来てトーマスを連れて出てきたのだった。

「トーマス様、美しいですね。」
「うん。」

二人は夕日が沈むまでの間、それ以上のことは言わずにその光景を見ていたのだった。

◇◆◇

暗くあたりを染めるのは闇。
今日は曇り空で月も太陽も見えない。
夜も遅く、解放軍本拠地の屋上からは監視するものたちが焚いている火だけがポツリ、ポツリと光っていた。
目を閉じるとそこは真の闇。
解放軍軍主のシキは壁に背をもたれさせ力を抜く。
そして身を闇に預ける。

そうしていたのはほんのひと時。
シキは立ち上がって自室へと歩き出した。

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