友達のなり方


1主→シキ

テッドがマクドール家に来てから、「構うな」というのにシキはテッドのもとに来る。
「構うな」といっていても、どこか、テッドはシキに惹かれていた。

がちゃり、と扉が開く音がしてテッドは身構えた。
「テッド、遊びに行こう。」
シキは入ってくるなり言った。もう、これが日常茶飯事である。
「俺に構うな。」
そう言ったテッドをシキはかつぎあげた。
視点がぐるりと変わり、テッドは一瞬ほうける。
「ダメ、一緒に行くの。テッドと一緒がいいんだ。」
「分かったから降ろせ。」
テッドは暴れるがシキはものともしない。
細い体のどこにそんな力があるんだ、と思いながらテッドは手足をばたつかせた。
「降ろせ、降ろせ、降ろせ。」
テッドはわめく。
「逃げない?」
「………。」
「じゃあ、降ろさない。」
そう言ってシキはスタスタと歩き出した。テッドは焦る。
さすがにこんな姿を町中の人に見られるのは恥ずかしい。
「逃げねぇよ。」
「分かった。」
ようやく、シキはテッドを降ろしたのだった。
テッドはすぐさま逃げようとした。
しかし、がっしりと腕をつかまれた。

「ふうん、そんなにかつがれて、町中をまわりたいんだ。」
テッドは大人しくするしかなかった。

◇◆◇

そして町へとくりだした。

街でシキは人気者である。
会う人、会う人親しげにする。
「どうして俺なんだ?」
シキが構う訳が分からなくてテッドは尋ねた。
「同じ目線だから。」
シキはうれしそうに笑った。



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