Let's cook together


1主→ノア

テッドがマクドール家の扉を叩いたが、返事はない。
しかし、中では人が動いている気配がする。
テッドは合鍵を使って扉を開け、人の気配をする方へと進んでいった。
台所とグレミオの部屋から人の気配がする。
今は、クレオもパーンもテオも北へいっており、ノアとグレミオしか居ないはずである。

とりあえず、テッドは台所へ行くことにした。
台所へいくとノアがいた。
そして、周りには生ごみが散らばっている。鍋は吹きこぼれそうだし、まな板に包丁が突き刺さっている。

「ねぇ、テッド、グレミオが風邪を引いて倒れたんだ。」
「えっ、大丈夫なのか?」
テッドは驚き、聞き返した。
「風邪はたいしたことないみたい。ただ、今日一日は安静にするようにだって。」
「で、お前は何をしているんだ?」
テッドは分かりきったことを聞く。
「料理をしているんだ〜」
テッドは台所の惨状を見ながら肩を落とした。
「どこが料理だよ。」
「テッドも手伝ってくれるとうれしいな。」
その言葉には強制力が宿っていた。

だん、という音がしてテッドが鍋から振り向くと、ノアの前では野菜とともに、まな板までもが切れていた。まな板が傷だらけである。
「この怪力が。包丁ってのはな、こうやって押すか引くかして切るもんだ。」
「だって切れなかったんだもん。」
そういってノアは自分の手の上で包丁を滑らす。
「バカ!あぶねえだろ!切れんなら研げ!」
「はあ〜い。」
テッドは肩を上下に揺り動かし息をぜいぜいとした。
その間にノアは包丁を研ぐ。
が、その手は真っ赤である。
「なんで、包丁研ぐだけで血が出るんだ!」
「あれ?」
ノアは首を傾げる。
「もう、お前料理すんな。」
「ダメダメ、グレミオに食べてもらうんだから。」
ノアはにっこり笑った。

とりあえず、何とか食べれそうで栄養のありそうなものは揃った。
と、ふと不安になってテッドは尋ねた。
「味見、したのか?」
「してない!」
のんきに答えるノアにテッドはあきれる。
「おまえなぁ・・・。」
そういいながらテッドはとりあえず、おじやを口に含んでみる。

……まずくはない。
まずいどころかおいしい。
ただ、絶対におじやの味ではなかった。

他の料理も、どれもおいしかったが、見た目とはまったく異なった味だった。
「どうしたらこうなるんだよ。」
「えーーー、わかんない。」
ノアも味見をして味と見た目がまったく違うことに気がついたようだった。
「ま、いいじゃん。食べれるんだし。」
結局はそこに落ち着くのだった。

ちなみに、グレミオはノアが料理を作ったことに感動した。
味の方は鼻が詰まっていて、分からなかったようである。




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