青い人の受難〜クッキー編〜


クッキーが机の上に一つ、置いてあった。
そう言えば昨日、サキがクッキーを作っていたなとフリックは思い出す。
ひょい、とフリックはそれをつまむ。
とそれを舌に乗せたとたん、刺激が全身を駆け巡る。
フリックは気絶してしまった。

遠くから、ユイとサキはそれを観察していた。
「まったく、フリックは期待にこたえてくれるね。」
「そうだね、サキ。」
二人はサキの作ったクッキーを食べながら、ナナミのクッキーを置いてその様子を観察していたのだった。
あたかもサキが作ったような感じでそのクッキーを置いておいたのだった。

「さて、邪魔なフリックは片づけて、観察を続けよう。」
「うん、ホウアン先生のところに連れて行ったらばれちゃうから、どっかに押し込めようか。」
ユイとサキはフリックの方へかけていった。

犠牲者→フリック。


フリックをどこかに片づけた後、ユイとサキはお菓子を食べながら机にあるお菓子を見ていた。
「次に誰が引っかかるかな?」
サキは期待に満ちた目で見ている。
「多分、青い人当たりじゃないかな?」
青いの以外は、この前会った緑色の・・・確かナッシュという名前のはずだ、彼も食べそうだけど今いないしなぁ、とユイは思った。

「ねぇねぇ、これおいしそうだよ。」
聞こえてきた声は高い女の子の声。
「でも、テェンガアール、食べたら悪いんじゃぁ?」
ユイが想像した青い人の内の一人、ヒックスが来た。
「でもおいしそうじゃん。そうだこれでヒックスも共犯ね。」
テンガアールはヒックスの口にクッキーを投げ入れた。
そのつぎの瞬間、ヒックスは目を白黒させて気絶してしまった。
「・・・・・・ナナミちゃんのクッキーだったんだ。」
テンガアールは冷静に判断し、ヒックスを蹴った。
「ほら、だらしがないんだから。部屋まで行くよ。」
そう言ってテンガアールはヒックスを肩に担ぎ去っていった。

「ユイの言ったとおりだったね。」
サキは満足した。そして、こっそり手を振ってきたテンガアールに手を振り替えしていた。
テンガアールはクッキーがナナミの作、といった時点でいたずらだってことに気が付いたのだ。
ただ、ヒックスを介抱できるvということで喜んだのだった。

犠牲者→ヒックス


「うぅ〜ん、引っかかる人少なくなってきたね。」
ユイは最後の一個のクッキーを食べながら言う。
「あ、ユイ、ずる〜い。」
サキは声を上げる。
「さてどうしようかな?」
ユイはあくまでもマイペースだった。

「ねぇ、クッキー焼いたんだけど食べてくれない?」
ナナミは騎士’sに言った。
もちろんその後ろではユイとサキがこっそり見ている。
二人はナナミに、これ、おいしいから他の人にも食べさせてあげてきたら?といったのだった。

「私は少々、朝からおなかを壊しておりますので、食べられないんですよ。」
「大変、薬膳おかゆを作ってあげる。」
ナナミはにっこり笑う。
「ほんとに何も食べられませんので。」
カミューは内心、思いっきり引きつっていることを隠し、うまく切り抜けたのだった。
「じゃぁ、マイクロトフさん、食べてください。」
ナナミににっこり笑われマイクロトフはだらだらと汗をかいた。
嘘を言うことは騎士道に反する、そして女性を泣かすことも。
「どうしたの?」
きょとんとナナミに言われて、マイクロトフは逃げられないことを知った。
「いえ、いただきます。」
マイクロトフはクッキーを手に取り食べる。
「おいしいです。」
そう言ってにっこり笑う。
「そう、よかったv」
ナナミはにっこり笑った。
ナナミがいなくなったとたん、マイクロトフは倒れた。
騎士道、たったそれだけで立っていたマイクロトフに乾杯である。

「こうも予想道理だとつまらないですね。」
「これもなかなか趣がある。」
サキとユイはこそこそと話していた。
「あれ、どうします。」
サキは青い残骸を指差した。
「多分カミューが片づけてくれるよ。」
ユイはにっこり微笑んだ。
「さて、行こうか。」
二人はナナミを追っていった。

犠牲者→マイクロトフ


と、次の犠牲者を探そうとしたところで出てきたのは角を生やした軍師だった。
「シ、シュウ。」
サキは怯える。
「やっぱりあなたでしたか。始末書とバツとして書類50枚増やします。」
サキはがっちりシュウに手をつかまれていた。
・・・・・・どこにそんな力があるのだろうか。
ユイは気が付いた時には逃げていなくなっていた。

最後の犠牲者→サキ




back