墓碑
ねぇ、お父さん?
あなたも逝ってしまうのですね。
たった五人、しかいなかった僕のことを知っていた、オデッサさんやグレミオはは死んでしまいました。
テッドは行方不明です。
それから、あの人は、あの人は多分ノアが殺します。
ノアはごめん、って謝ります。僕は忘れられてもいいのに。
そうそう、新しく、マッシュ、という人が気づいてくれました。
父さん、あなたも逝ってしまったのですね。
後、残るはテッドとマッシュだけです。
僕は、僕のために、ノアのために彼らのことを命を賭けても守ります。
でも、この戦いが終われば、僕は消えてしまった方がいいのかもしれません。
そうじゃないと、たぶん、ノアが消えます。
あの子は優しいから。
だから、もう少ししたら、行くので、父さん、待っていてくださいね。
ただ、心残りと言えばノアが泣いてくれないことです。
それから、ノアを一人にしてしまうこと。
でも、それは心配しなくてもいいかもしれません。
◇◆◇
父上、満足していますか?
いえ、愚問でした。あなたは満足して消えてしまいました。
私は、あなたのことを恨んではいません。
母上のことも仕方なかったのでしょう。
ユイは私の弱さゆえに生まれてしまった。
最近、ユイが消えてしまうんじゃないか、と不安になることがあります。
私は自分の手を染めることはいといません。
私の手を赤く染まってしまいました。
後悔はしていません。
時々、自分が怖いのです。
自分が狂ったように人を殺してしまうかもしれないと。
だから、ここに残るのはユイでいいのでしょう。
すべてが終わったら、私は消えてしまうつもりです。
父上、あなたの元には行きません。
例え、自分の魂が、こいつに喰われるとしても、私はあなたの元へは行きません。
彼方が憎いからではありません。そうではなくて・・・、
◇◆◇
「ユイ様。ノア様。」
そっと墓碑の前に佇むユイとノアにマッシュは声をかけた。
ユイは、ノアは答えない。
「すべてが終わったら、一緒に旅に出ませんか?」
マッシュの優しい声。
「それもいいね。」
自分でないような声を発したのはユイだったのか、ノアだったのか。
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