過去の罪と現在の我侭


母を殺したのが最初だった。
母はユイに任せていた。母が愛していたのはユイだけだった。
それでも私は母に愛されたくて。
でも、母はそんな私が嫌いでした。
自分と生き写しのような私、ノアが。

私は妹のノアに似ていたことも理由のひとつかもしれません。
母は私か、ユイかをすぐに見分けられました。

そして、私の時に母は・・・・・

言い訳するつもりはありません。私は罪深い生き物です。

母を殺してしまったときまず思ったのはユイの事でした。
母のために生まれてきたユイが死んでしまうかもしれない、って。
ユイは私のために残ってくれたのだと思います。

その日から、まるで呪いでもかかったように私の手は血で濡れ続けた。
そして、いつの間にか、自分は死神だと思うようになった。

長い長い時がたって。テッドが来て。
私とユイの関係を言えて。
全部を言うことなんてできなかったけど。たぶん、テッドも言えなかったのだろうけど。
それでも、最高の親友と言えた。

でも、だんだんユイの時間が減ってきて。
そして、いろんなことが起きました。

忘れられるのが怖いのです。
思い出されないことが怖いのです。

妹のノアは消されました。
消える、といいながら、なんてわがままなんでしょう。
自分の心というものは。

◇◆◇

父が死んでから、長い、長い時が過ぎた。
竜洞騎士団と出会い、フッチと再会した。

風は順風満帆のはずであったが、なぜか一抹の不安を覚えた。


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