お昼寝
穏やかな昼下がり。
戦争も小休止状態、というところで、のんびりとした雰囲気が本拠地にも漂っている。
ルックとユイは木陰に座わり、本を読んでいた。
お互い何も言わぬまま、黙々と。
二人とも、この木陰は誰も来ないため、お気に入りだった。
ふと、ルックが気がつくと、ユイは本を開けたまま寝ていた。
何かをしている最中にユイが寝てしまうことは初めてで、思わず、まじまじと、ルックはユイを見てし
まう。
ユイは目は閉じたまま、穏やかに規則正しい呼吸をしている。
疲れ果てているのだろう。それならそれで、本を読まずに寝ていればいいのに、とルックは思う。
そこへ、シーナがやってきた。
寝ているユイを見て、そっと近づく。
ルックは顔をしかめたが、シーナは無視をして隣に座る。
そして、上着をユイにかけてやった。
「珍しいな。」
「ふがいない大人たちのせいで、疲れてるんだろうね。」
「違いない。」
二人はこそこそと、大人たちをけなしあう。
「用事があったんじゃないの?」
「まぁな。親父がユイを読んでたんだけどさ、ほっときゃいいって。せっかく寝てるんだし。」
「同感だね。」
ルックは本のほうに視線を向けたまま答える。シーナは大きく伸びをした。
「俺たちも寝るか。」
欠伸交じりの突然のシーナのせりふにルックは驚く。
が、もうシーナはごろんと横になっている。
そして、すぐ規則正しい寝息が聞こえた。
「何で僕も・・・。」
と、ルックはつぶやいたが、この穏やかな天気で確かに眠気はある。
ルックは本を閉じ、横になった。
やがてルックも眠り、三人の寝息だけがそこに占めるようになった。
お昼寝後、シーナが父親に怒鳴られたのはまた別の話だ。
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