てがみ


1主→ティル 5主→コロナ
ティルは一枚の手紙を持ってソルファレナの地に立っていた。
港から町に入っていき、一通り見回った後、適当に見つけた町の人へ話しかけた。
「ゲオルグさんって知ってます?」
「女王騎士のゲオルグ様かね。」
「そうです、どこに行ったら会えますか?」
小さな子供がゲオルグにあこがれて会いたいのだろうと町の人は思ったのか、町の人は苦笑した。
そして、しゃがんでティルに視線を合わせる。
「時々、町にいらっしゃることもあるけどな、なかなか会えないよ。」
「えっと、どうしても・・・」

その時、騒がしい声がした。殴りあうような声もする。
ティルは棍を握り締めた。

「何があったんだ?」
ティルに答えていた町の人が周りの人に尋ねる。

「なんでも、女王様を侮辱したらしい。」
「なんだって。」

あたりは乱闘になった。
ティルは何とかよけながら困り果てていた。

そこへ、大きな金髪の兄ちゃんと銀色の髪で青い目が印象的な少年と黒髪の女の子がやってきて、あっという間に喧嘩を収めてしまった。

「大丈夫?」
そういいながら銀色の髪の少年はティルのほうへやってきた。

周りは王子様だ、女王騎士だと騒がしい。

ティルは何も言わず、その少年に引っ付いた。
そのほうがゲオルグに早く会えると思ったからだった。

「王子、とりあえず、王宮に戻りませんか?」
あまりにも周りが騒ぎ立てるので、リオン、カイル、コロナはいったん王宮へと帰ることにした。

とはいっても、そのままコロナの部屋に入れるわけも行かず、カイルが寝起きしている場所へと行くことにした。

カイルの寝室へ行く途中、コロナたちはゲオルグとであった。コロナに引っ付いているティルを見るなりにやりと笑った。
「カイル、とうとう子供を押し付けられたか。」
「じょーだんきついっすよ。」
カイルは作った笑みははは、と笑った。

「これ、持って行きなさいって、言われたの。」
そう言ってティルはゲオルグに手紙を渡した。そして、カイルのほうを小首を傾げてみる。
「カイルさん、ですよね。」
その瞬間、、リオンは疑わしい目でカイルを見た。
「まさか、カイルさん・・・。」
「ち、違うって。」
カイルはあせる。

「そこまでにしといてやろう。ティル、これ開けるぞ。」
ゲオルグはそう言ってティルの手紙を開く。コロナたちは驚いた。
顔を見合わせた後、代表してリオンが尋ねる。
「知り合いですか?」
「まぁな。」
「まさか、子供とか。」
「お前じゃないからな。」
カイルの言葉をゲオルグは一蹴する。
そして、手紙に書かれている文面を読んでため息をついた。

「コロナ、すまんが内密にフェリドを読んできてくれんか?」
コロナは疑問を思えつつもゲオルグの言葉を達するため、父の元へと向かった。









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