てがみ
1主→ティル 5主→コロナ
「お前も人の親になったか。」
フェリドはカイルの部屋に入り、ティルを見つけカイルに真っ先にそう尋ねた。
「じょーおー騎士団ちょーまで。」
誰からもティルをカイルの子供だと思い込んでくるのだ。
「これに懲りたら少しは自重するんだね。」
コロナは笑いながら言った。周りもニヤニヤ笑っている。
カイルは情けない顔になった。
フェリドは気を取り直してゲオルグに話しかけた。
「で、こいつは誰なんだ?」
「テオの息子だ。」
「ほう、テオのか。」
フェリドがまじまじとティルを見ると、ティルはちょこんと頭を下げた。
「はじめまして。ティル・マクドールと申します。」
「ほう、テオによく似て真面目だな。」
フェリドは感心する。
「で、どうしろと?」
「少しの間、ゲオルグさんのところにお世話になりたいんです。」
ティルは大人びた口調で言う。
「しかしなぁ、今は何かときな臭い。」
「ゲオルグさんが駄目なら、カイルさんがお父さんだって言います。この国の人は女王様とか女王騎士様が慕われているみたいだから、たぶん誰か止めてくれるでしょうし。」
そうしてにっこり笑い、カイルを見る。
「おい、何でこっちに来るんだ!」
カイルはあせった。もし、そんなことにでもなれば・・・。
「ははは、いいんじゃないか?テオの息子はなかなかいい性格をしているな。」
「しかしな、」
フェリドの言葉にゲオルグは渋る。
「ラフトフリートにしばらくの間預かってもらえるように手紙を書こう。リムが東の離宮による帰りによればいい。それまでは、リムの話し相手になってもらうように手配しておこう。」
こうしてティルはファレナ女王国へと滞在することとなった。
◇◆◇
フェリドとゲオルグは2人だけになると懐かしそうな顔をした。
「テオとは懐かしい手紙だな。」
フェリドはオベルからファレナに行く際、テオを頼り、赤月帝国を経由して行ったのだった。
また、その時襲撃に会い、ゲオルグは危機一発のところでフェリドとテオによって命を救われたのだった。
恩義はあるのはあるのだが、問題は中身だった。
どうもあちらも継承戦争の残党がおリ、ティルは目の前で母親をなくしたと書いてあった。
「まぁ、良い知らせだともっといいのだがな。」
「ティルが帰る頃にはよくなっているさ。」
しかし、不穏な影はゆっくりと近づいていたのだった。
back