ぶっそうなこどもたち


坊→ティル、2主→リオウ、5主→コロナ

リムスレーアはミアキスをつれ、コロナを探していた。
ずっとすれちがっていたが、ようやく女王騎士詰め所の前の廊下を歩いているコロナ達を見つけたのだった。
「兄上、ここにおったのか。」
そう言って、リムスレーアはコロナに抱きつこうとするが、そこに、見知らぬ少年がいるのを見つけた。

「そなたは誰じゃ?」
不信感を抱いてリムはそのコロナとその少年に尋ねる。
「姫さま、初対面の相手に失礼ですよ〜。でも、私も気になります。」
ミアキスは注意してはいたが、目の前の少年に多大な興味があるのは明白だった。
「ミアキス・・・。」
皆はあきれた。

「これからね、リムの話相手になるんだ。」
コロナは気を取り直していった。
「私は赤月帝国六将軍、テオ・マクドールが嫡男、ティル・マクドールと申します。」
ティルは完璧な礼をとる。
「そうか、わらわはリムスレーアじゃ。堅苦しい言葉はよい。」

ティルは戸惑った顔をした。
「リムスレーア様、コロナ様をお借りしていて申し訳ありませんでした。」
「気にするでない、それに、堅苦しい言葉遣いやめろと言うておるじゃろう。それにわらわのことは、リムでよい。」
ティルはまだ幼い。リムスレーアもコロナも丁寧な言葉遣いに違和感を感じた。

「僕はコロナ、リムはリムでいいんだよ。」
コロナはにっこり言う。
「コロナおにいちゃんとリムおねえちゃん?」
ティルはそう言って笑いかけた。

「わらわがお姉ちゃんか。なかなかよい響きじゃ。」
ティルの純粋な笑みや、おねえちゃんの響きに嬉しくなって、リムスレーアは笑った。

「私はミアキスで、こっちはリオンちゃん。本当にかわいいですぅ。」
そう言ってミアキスはティルを抱きしめる。
ティルは真っ赤になった。
「かわいそうですよ。」
そういいながらも、ちょっとうらやましそうにリオンは言った。
「カイルがいたら、うらやましがるだろうな・・・・。」
コロナはぼそりといった。

◇◆◇

ようやく、ミアキスから解放されて、ティルはほっとなった。

ミアキスに抱かれているティルは自分より年下でちゃんと子供の顔をしていた。だから、リムスレーアは守ってやりたくなった。
「ティル、わらわが守ってやる。」
「僕は男の子だし、大丈夫。今は弱いけど、大きくなったら、守れるくらい強くなる。そしたら、仲良くしていこうね。」
二人の言っている強さは、力ではなく、国や家に当たるもの。
リムスレーアは、立場的にティルを守るといい、ティルは自分の字は自分で守り、大人になったら力をつけるから、友好的に国の同士の付き合いをしようと言った。

お互いに立場をわきまえていた。

「王子、この子を姫様のお婿さんにしちゃいません?」
ミアキスはこっそりコロナにささやいた。
「どうやって?」
「王子が代理として、闘神祭に出るんですよぅ。」
「僕だと負けちゃうよ。まだまだ弱いのは分かっている。」
そこはつっこみどころではない。しかし、リオンはなんと言っていいのか分からなかった。
「うーん、残念ですぅ。」
「おいおい、物騒なことを言うな。」
「ゲオルグ様はどうでしょう?」
「父上とか。」
「女王騎士が誰かに加担できませんよ。」
とりあえず、リオンも反論してみる。少々ピントが外れているのがご愛嬌である。
「うーん、なら母上とか。」
「確かに、女王騎士じゃありませんよねぇ。」
ミアキスとコロナの暴走は止まるところを知らなかった。

リオンは助けを求めるようにティルとリムスレーアを見る。
「リムおねえちゃんが辛いなら、暗殺でも何でもして、助けにいくからね。」
「それなら、わらわが盛るほうがよかろう。問題は毒をどこから入手するかじゃな。」
「うーん、赤月に帰ったら何とかなるんだけどなぁ。」
こちらもこちらでミアキスとリオンたちに負けないほどブラックである。

ゲオルグが来るまで、リオンはただ一人、困っていたのだった。。









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