なまえ
コロナがルクレティアに話しかけているところへ、カイルとミアキスはティルを連れ、乱入した。
「王子〜、ハスワール様を迎えにいきません?」
「えっ、ハスワールさん?」
突然のカイルの言葉にコロナは驚いた。
「ハスワール様、美人って言いますしぃ。」
「そうです、行きましょうよ。」
カイルとミアキスから畳み掛ける。
「いいですね。あちらには正当性が失われますし。」
ティルがいるところからルクレティアも事情を察し、応援した。
「ティル君、外出たくありませんか?」
ミアキスがティルに尋ねる。
「えっ?」
「王子、ティル君も連れて行きましょうよ。大丈夫ですよ、結構弱い生き物ばっかりでしたし。」
カイルも応援する。
「大丈夫ですよ、カイルさんが、弓がかりの陣で前を行ってくれるそうですよ。」
ルクレティアの言葉にカイルは一瞬固まったが、結局は頷いたのだった。
遠征のメンバーはコロナ、ミアキス、カイル、ゼラセ、ツヴァィク、ローレライ、タカム、それにティルがついて行くことになった。
どうして、こんなメンバーになったかといえば、ティルが希望したからである。
いつも文句を言うツヴァイクたちも、子供には勝てないようであった。
ティルはタカムのところに棍を持って歩いていた。
何かあったら、非戦闘員のタカムを守るんだ、という意気が見て取れ、微笑ましかった。
そして、コロナ一行はルナスへついた。
「あらあら、コロナちゃん、ミアキスちゃんも、ティルちゃんも。」
そういって、ハスワールはコロナたちを順番に抱きしめた。
コロナやティルは赤くなりながらもうれしそうに笑った。
見ていたものは自然に笑みが出る。
あの、ゼラセ、ツヴァィク、ローレライにすら笑みが出ていたのである。
めったに見られない光景だった。
こうして、ハスワールは仲間になったのであった。
人数、一人オーバーしているのに後から気付きました。
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