運命の導くままに
坊→ティル 2主→リオウ 4主→カイ
「ま、二人いることだし。」
そう言ってカイは右手を上げた。
テッドはその意図に気づき、ため息を吐き、自らも左手を上げた。
カイの右手に宿る烈火の紋章とテッドの左手に宿る大地の紋章が光出す。
「わが右手に宿りし烈火の紋章よ、恵みの大地とともに力を与えたまえ。焦土」
「わが左手に宿りし大地の紋章よ、滅びの烈火とともに力を与えたまえ。焦土」
業火があたりを取り囲み、地が震える。
しかし、その炎は他に飛び火することもなく目的の建物だけを包み込む。
「死なないようには手加減してるから、来るよ。」
その、カイの言葉と共に戦闘は始まった。
テッドが飛ばした矢の雨の中、カイは切り込んでいく。
新しい部屋に入るときはカイの烈火の紋章が光、人が増えると、テッドの震える大地が飛ぶ。
息の合ったコンビネーションの前に、誘拐犯の一味たちはひとたまりもない。
格が違いすぎるのだ。
しばらくして、ひと段落したところでテッドはティルがいないことに気がついた。
「えっと、あいつは?」
テッドは辺りを見回す。
とそこで、無意識のうちに避けていた、罠の数々に気づく。
糸を張ったり、釘を上に置いたり、油を引いていたり。
単純なものだが、戦闘中では気がつかないことも多い。
ふいに、敵がこけることも多く、ラッキーと思っていたのだが、これが原因かと思わず笑ってしまった。
「テッドの笑った顔、久しぶりに見た。」
ぽそっと、後ろに立っていたカイがテッドに囁いた。
それに驚き、あわてて飛びのいたが、飛びのいた先にはティルの仕掛けた罠があって、テッドあ転んだ。
「いってー。」
テッドは頭からこけた。
けらけらけらと、カイが笑いこける横で、ティルは笑わないように必死になっていた。
「ちぇっ。」
テッドは毒づいた。
◇◆◇
「でも、よくあんなに用意できたなぁ。」
粉々に砕いた誘拐犯のアジトから少し離れた饅頭屋で、5人は仲良くお饅頭を食べていた。
「二人に手伝ってもらったからね。」
ナナミとリオウは誇らしげに笑った。
そこへ、二人の男が入ってきた。なぜか殺気がある、
テッドとカイは臨戦態勢になった。
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