運命の導くままに



坊→ティル 2主→リオウ 4主→カイ 

「アレン、グレンシール!」
ティルは声を上げ、走りよった。
「ティル」
「ティル君」
アレンとグレンシールも声を上げる。
「この人たちに助けてもらったんだ。だから大丈夫だよ。」
アレンとグレンシールはカイとテッドを誘拐犯と勘違いしていたのだ。

「それは、失礼いたしました。」
グレンシールは優雅に謝る。
「いえ。」
カイは首を振る。なんというか、ここまで丁寧に扱われたのは久しぶりで恥ずかしかったのだ。

「何かお礼をいたしたいのですが?」
グレンシールは頭を下げる。
「いえ、気にしないでください。」
「しかし、そう言うわけには・・・・。」
「本当に気にしないでください。」
その時だ、ティルはグレンシールの裾をぎゅっと引っ張った。

「あっちも、そう言ってるんだし、もういいじゃない。」
そういったティルの顔を見て、グレンシールは微笑んだ。

「ここの会計は持たせていただきます。本当にありがとうございました。」
ティルは早く出よう、とせかしている。

「バイバイ。」

そう言って、アレン、グレンシールを引っ張って出て行ったのだ。

「なんか、あいつがいると嵐のようだったな。」
テッドはポツリとつぶやいた。なにやら、あんなに懐いていたのに、二人が来たとたん別れたがっていたみたいで、つまらない気がしたのだ。

カイはにっこり笑った。
「無理に笑ってたところがあったみたいだね。特に、リオウ君とナナミちゃんといた時は。あの二人に会って、泣きそうになっていた。でも、ずいぶん意地っ張りみたいだねぇ。」
その言葉を裏付けるようにカイとテッドの耳には小さな泣き声が聞こえていたのだった。みんなの前で泣きたくなかったようだが、みんなと別れて、ようやく涙腺が緩んだようだった。

「ホントに意地っ張りだな。」
テッドも気がついて苦笑した。

「いいなぁ、私たちもおうちに帰りたい。」
ティルがいなくなり、二人が内緒話のように話していたことで、疎外感を感じたのだろう、ナナミは涙を浮かべていた。
「すぐ帰れるよ。」
リオウはナナミを慰めた。ナナミもこくりと頷く。

「4人で帰ろう。」
その言葉にテッドは首を振った。

「お前らだけでいけよ。カイがいれば安心だ。」

「一緒に行ってくれないの?」
また、ナナミの目から涙があふれ出そうになった。

「い、いや。」
「ほらほらテッド、降参しな。」
カイは笑っていった。

テッドは逃げれない運命を悟った。

結局4人は手をつないでキャロまで行くこととなった。

◇◆◇

カイは同盟軍がいるという、本拠地を目指していた。

「ねぇ、ティルさん、僕たちってあったことありませんでした?」
「さぁ、どうだろう?」

「まぁ、いいや、町に行きましょう。」
彼らが、再会するまで後わずか・・・・・。


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