もんすたー


1主→ティル 5主→コロナ

戦争があるからとティルはずっと、本拠地の城から出られなかった。
まだ、城を決めたばかりで何もないし、人も少ない。

倉庫に行ったり、封印の間に行ったりして遊んでいたけれど、だいぶ飽きてきた。
ようやく、本拠地に帰ってきたゲオルグは退屈そうなティルを見つけた。
「ティル、外へ出るか?」
「えっ、いいの?」
ティルは顔を一瞬輝かせたが、迷惑かけてはいけないと首を振った。

「この辺のことは一通り見ておきたいからな、そのついでだ。」
「ゲオルグ、だーい好き。」
ティルはうれしそうに笑い、ゲオルグに抱きついた。

そうして、本拠地周辺を探索し始めた。

強い、カズラーなどをゲオルグは一閃で倒していく。
その後ろをティルは歩いていた。

出てきたのはカラフルなふさふさたちである。
「ねぇ、一匹、倒してもいい?」
鮮やかにふさふさを切っていくゲオルグにティルは話しかけた。
それに答えるように一匹だけ残し、ゲオルグは剣を収めた。

「危なくなったら、切るからな。」
「うん。」
そう言って、ティルはふさふさに向かっていった。

何回か殴りあった末、ティルはふさふさを倒すことができた。
ティルは疲れて、肩で息をしている。

「ふむ、よくやったな。」
「ねぇ、これ飼っちゃ駄目?」
ティルは上目遣いでゲオルグを見る。

「いちよう、それもモンスターなんだがな。まぁ、お前がちゃんと面倒を見るんならな。」
本拠地で同年代の子供もいないし、ふさふさぐらいならとゲオルグは思うが、忠告は忘れない。
「コロナに許可をもらってからだ。それと、それが人を襲ったら、即切り捨てるからな。」
「やったぁ。グレックミンスターの周りじゃあ、黄土色の小さい奴しか見たことないよ。」
ティルは無邪気に喜んだ。

「あ、ドレミの精だ!初めて見た!」
「アレはお前には危険すぎるからな。後ろに下がっていろ。」
「はあい。」
後ろに下がり、ゲオルグの鮮やかな手つきを見ている。

「アレは何?大きいくて目がカワイイ。」
「もっさもっさか。あれも危険だ。下がっていろ。」

かわいいモンスターが出てくるとティルは無邪気に喜び、ゲオルグは後ろに下がらせる。
そんな調子で、城の周辺を一周した。

ふさふさを飼う許可をもらうため、ゲオルグとティルは城に戻ったのはいいが・・・そこにはドレミの精がいた。
「コロナ、なんでドレミの精がいる?」
ゲオルグは渋い顔をして尋ねた。
「なんでもっさもっさはいないのー?」
「城に入らなかったからね。」
コロナはティルに視線を合わせにっこり笑う。
「ティルはふさふさをどうしたの?」
「あ、これ飼ってもいい?」
「いいよ。」
「やったぁ。」
ティルははしゃぎまくる。
ふさふさを抱きしめたままドレミの精と手をつなぎ、くるくると回った。

ゲオルグの渋い顔も続かず、いつの間にか子供を見守る優しい目になっていた。

ティルはドレミの精を見た。そして、コロナを見上げる。
「名前はついてるの?」
コロナは微笑み返した。
「レミファだよ。」
「よろしくね、レミファ。」
それに答えるようにドレミの精のレミファはくるりと回った。

やがて、本拠地は人以外のものであふれることになる。



ティル:「何がここにあるの?」
ローレライ:「子供のあつかいはわからない。」
ツヴァイク:「自分も子供だろうが。」
ローレライ:「何を!」
ゼラセ:「あの王子に言われたのか?」
ティル:「違うよ。ただこんな狭い部屋にいっぱいいるから。」
ゼラセ:「そうか。」
ティル:「ところで、何で二人ってこんなところで喧嘩しているの?」








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