なまえ
1主→ティル 5主→コロナ
「コロナお兄ちゃん。」
ティルがそう呼ぶとコロナはうれしそうな顔をする。
特にサイアリーズがいなくなってから。
だから、ティルはコロナをコロナと呼ぶ人を探すことにした。
◇◆◇
ティルは、まずはゼラセのところに行くことにした。
何か疑問があるときにはまず、約束の石版が置かれている場所に行くことにしていた。
「コロナおにいちゃんをコロナ、って呼ぶ人知らない?」
「私が知るわけないでしょう。」
ゼラセは愛想もなく言う。
ティルはツバィクとローレライも見る。
「俺たちに聞く方が間違っていると思うが。」
「でも、僕にはっきり答えてくれるもん。それで、知らない?」
「あぁ、知らんな。」
ローレライとツバィクは首を振った。
「ありがとう。」
ティルはそう言って、その部屋から出た。
次に向かったのはルクレティアの部屋だった。
リオンが倒れて、今コロナの一番分かっているのはルクレティアだと思ったからである。
「あら、どうかしましたか?」
そう言ってルクレティアはティルを部屋にいれ椅子を勧めた。
ティルはその椅子に座る。
「ルクレティアさん、コロナおにいちゃんのこと、コロナって呼ぶ人知らない?」
「ゲオルクさんは呼んでいましたけど。」
「他にはいないの?いつもどっか行ってるもん。」
つまらなさそうにティルは口を尖らせた。
ゲオルグは本拠地にいることは少ない。
だから、ティルはつまらなかったりするのだが、今はコロナである。
「女王騎士の皆さんなら何か分かるかもしれませんよ。分からないかも知れませんけどねぇ。」
「ありがとう。」
その言葉を聞いてティルは椅子からぴょこんと立ち上がり駆け出した。
「王子も思われてますねぇ。」
ルクレティアはティルのその様子を見てつぶやき、うふふと笑った。
ティルは次にカイルのところへ向かった。
ミアキスと迷ったのだが、ミアキスは最近ずっとコロナと一緒にいる。
あまりコロナに知られたくなかったから、ティルはカイルを選んだのだった。
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