名物


坊→ティル、2主→リオウ、4主→カイ、5主→コロナ

リオウは先日再会したカイと、カイと一緒にいたキリルに同盟軍本拠地内を案内していた。
「ここが、約束の石版です。」
「ウザいんだけど。」
いつもの通り、ルックは冷たく言った。

「むかつくガキだな。」
キリルは突っかかる。
「相対して変わらないくせに年長者のフリをしないでよ。」
「俺は150年ぐらい生きている。」
「へぇー、爺か。道理で口うるさいわけだよ。」
「何を!」
ルックとキリルは一揆触発な雰囲気になる。

「まぁまぁ、そうは言わないで。」
リオウはなだめた。

その時、どたばたと走る姿があった。

黒くて前だけが金色の青いマントを来た戦士風の男と、茶色い髪のかわいい女の子が追いかけっこをしている。

「フリックさーん、私の愛を受け取って〜。」
「いらないといっているだろう。」

「・・・楽しいね。」
カイはリオウに話しかけた。
キリルもどこかデジャ・ヴな感覚にとらわれた。

ルックだけは相変わらず無表情であった。

しばらくして、また走る音がした。
銀色の髪の少年が黒髪の少年を追いまわしている。
「ってことで、ティル、あきらめて結婚を承諾しろ。」

「相変わらずだね。」」
カイは解放軍時代を思い出しながら言う。
「名物なんですよ。」
そう言って、リオウは二組を指す。
「えっと、青いほうはニナって言う女の子に求婚されているんです。それで、ティルさんはさっき追いかけてたコロナさんの妹さんに求婚されているんです。」
「あ、うん。ティルは前からだったよな。」
「解放軍時代からだったんですか?」
「そうそう。まさか、フリックも似たような羽目になるとはな。」
「うらやましい、といったほうがいいのかな?」

「なら、かわらない?」
そういってゾンビのようにティルは4人に近づいて来た。
「無理だよ、リムはティルを好きなんだから。」
後ろにはコロナ付である。

「あーもう、ウザい。」
そう言ってティルはコロナを引っぺがす。
そして、また逃げ出した。

当分、この追いかけっこは続きそうだった。









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