居場所
アイリはサキの部屋にいた。速くサキを起こし、大広間に行かせなくてはならない。
しかし、アイリはためらっていた。
アイリはしばらくじっとサキを見ていたが、頭を降り、ためらいを振り払うようにしてからサキを起こした。
「ほら、起きな。みんな大広間で待っているぜ。」
「うぅ〜ん。おはよう。」
アイリに揺すられたサキは目をこする。
「あ、起こしにきてくれたんだアイリ。」
そうしてやっとサキは覚醒した。が不意に動きを止めた。
「大広間でみんな待っているんだよね。」
サキはどこか思いつめた顔をしている。アイリは不安になった。
「どうしたんだ?」
「なんでもない。」
アイリの問いにサキは即答した。だからこそアイリは不安になる。サキは抱え込みすぎると。
「な、お前さ、迷っているんだろ?」
アイリはサキの目を覗き込んで聞いた。サキは笑うだけで答えない。
「あたしたちは全部終わったらまた旅に出る。」
サキはえっ、という顔をしてアイリを見る。アイリの顔は静かだった。そして決意と言うものを秘めていた。
「それはあたしたちの道だから。あたしたちが決めたあたしたちの道だから。だから・・・・。」
アイリは顔を赤くした。だから、サキも自分で道を決め、歩んだらいい、そうサキには聞こえた。
「たぶん後悔する。でも、それが一番私たちの性にあっているんだ。」
アイリはどこか寂しげだった。
「僕は僕の道を選ぶ、そう決めたんだっけ。」
サキはリーダーになる、と決めたときのことを思い出した。
「ねぇ、アイリ、僕は、ジョウイを救いたい。」
「ならそうすればいいじゃねぇか。」
即答だった。アイリは迷っているサキの背を押した。
「がんばりなよ。じゃぁ、早く用意して降りて来な。」
アイリはそういって軍主の部屋を出ようとした。
が、何かを思い出したように振り返った。
「なぁ、終わったら戻ってきてくれるか?」
「・・・・・・」
その問いにサキは顔を伏せる。答えられなかった。死ぬ覚悟もしている。それなのにうかつな約束はできない。
「ならさ、戻ってこれたらでいい。戻ってこれたらでいいからさ、最初会ったリューベの町にいるから結果教えに来てくれないか?一週間ぐらいいるから。」
その雰囲気が分かったようにアイリは明るく言った。サキは微笑む。
「ありがとう。」
それ以上は甘えず、サキは自分の足で歩き出した。
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