料理


アイリとビッキーは料理を作っていた。
もちろんサキとユイのためだ。

ナナミが通って料理を手伝おうとしたが、それはリイナが「二人とも好きな奴のために作っているんだから邪魔しちゃだめよ」ということで不参加だった。
それを見た人々は喝采した。

が、それはつかの間だった。

厨房は戦場とかした。

アイリはナイフをぶんぶん飛ばすし、ビッキーは魔法を使って鍋に火をかけようとする。

あわれ、そこに居合わせた人々と通りかかった人は黒こげとなったのだった。


◇◆◇

そうこうして、ようやく料理ができた。二人が作ったのはコロッケだった。
「味見、してほしいんだけど。」
アイリとビッキーにつかまったのはシーナだった。

もちろんシーナは喜んでそれを食べた。
と、同時にすぐに気絶してしまった。

なんと言っても悪名高きアイリコロッケである。
ナナミアイス・ナナミケーキと同じように塩を大量に入れたらできるあれ、である。

もちろんステータスは「毒」。

シーナが気絶してしまうのも当然だと言えるだろう。

アイリとビッキーは顔を見合わせた。
この反応はよく知っているからである。
ナナミの料理を食べたときの反応だ。
二人はじっと顔を見合わせた。

と、そこへ二本の手が伸びてきた。
「おいしいな。」
「おいしいよ。」
ユイとサキの手だった。その手は目の前のコロッケに伸び、二人の口まで運んだのだった。
二人は倒れることも無く、おいしそうに食べている。

「ぼくらのために作ってくれたんでしょ。」
「おいしいよ、ありがとう。」
二人はにっこり笑う。

後ろにはシーナが気絶したまま転がっていた。

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