語られない言葉
「必殺の紋章発見。」
そういいながらコロナはモンスターを狩っていく。
キャザリーはあきれながらそれを見ていた。
「まったく、お前は無用心だな。」
「なんで?」
「私と二人で出かけるなんて。」
「二人じゃないじゃん。」
そういってコロナが振り返るとエグバートとサイロウとバベッジがいた。
「非戦闘員じゃないか?」
「そうだけど?」
「・・・・・・・。」
と、行っている間にも暗殺者が出てくる。
皆、薬を飲んでいて少し、鬱な気分になる。
「ごめんね?」
コロナはキャザリーにそういいながら戦闘態勢に入る。
あっという間に暗殺者はコロナとキャザリーによって殲滅させられた。
「いつもはジーンとビッキーがいるんだけど、ジーンは忙しいらしくて。ビッキーには見せたくなかったんだ。」
コロナを見つけるなり、薬を飲み、狂気に陥る暗殺者たち。
それを見せたくないというのはコロナのワガママだった。
「君ならいいてわけじゃないけどね。」
「気にするな。それより、なぜ、女王騎士たちと行動しない?」
その言葉にコロナは一瞬止まる。
そこへ暗殺者が出てきた。
キャザリーは、正確な狙いで銃を打つ。必殺の紋章のおかげで、一瞬にして暗殺者は消えた。
「・・・・・・、もし、彼らが王子として僕についてきてるんだとしたら、って考え込んじゃって。」
「そんなことはないと思うが。」
「でも、あの時僕や伯母上が殺されて、それで僕じゃない僕そっくりな性格の人がこの軍に立ったとしたら彼らはついてきたと思う?」
「分からないな。」
コロナは小さく微笑む。
「たぶん、彼らはずっとリムの傍にいたと思う。それが女王騎士の務めだから。」
だから、コロナは彼らについてきて欲しいとは思わなかったし、頼まなかった。
そこまで、言うつもりはなかったのに、なぜかキャザリーだけに言ってしまったことにコロナは後悔した。
キャザリーは言葉を返せない。
「ごめん。重い話をしちゃって。」
「こちらが尋ねたことだ。」
そう言うと同時にまた暗殺者が出てきた。
二人はまた、戦闘態勢に入った。
◇◆◇
ソルファレナを攻め入る前日の夜、コロナはゲオルグにあった後、キャザリーが立っているのに気がついた。
少し話をした後、キャザリーと分かれた。その別れ際、キャザリーから「よかったな。」そういわれた。
ゲオルグがコロナ自身が仕えるに値するから共にいる、といったことをさしているのは明白だった。
コロナは赤くなりつつも頷き、そしてリオンのところへ向かった。
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