不審者
4主→カイ、5主→コロナ
「あら、お客さんですのね。」
ルクレティアは微笑む。
「彼らは?」
ゲオルグは警戒した。
さて、朝早く、散歩から帰ってきた王子が連れてきた不審者への対応はどちらが正しいでしょうか?
「なんていうか…。」
「おはようございます。」
コロナが説明しようととしたところへ、ベルナテッドがやってきた。
「え、あっ。」
ベルナテッドは二人を見て驚く。
「カイ様とキリル様、ですよね。」
カイは銅像になっているし、キリルもアンダルクの書いた本に絵込みで書かれている。
しかも、群島諸国が危機に迫られると、救いに現れる救世主、とまで書かれている本さえあった。
「知り合い?そういえば、ベルナテッドと親戚とか言ってた気が。」
「血は薄いけどね。」
そう言ってカイはベルナテッドに目配せした。
「は、はぁ。」
確か群島諸国の英雄カイは、オベル王の家系だったと伝えられている。
「よろしくお願いしますね。」
ルクレティアはそのことに気づき、にっこり微笑んだ。
それから、カイとキリルはこき使われることとなる。
◇◆◇
釣り
4主→カイ、5主→コロナ
「あ、釣りできるんだ。」
コロナが本拠地を案内していると、船着き場でカイは興味津々というように湖を見る。
「ほとんど釣り、やってみたことないんだよなぁ。」
キリルも興味深そうに言う。
コレだけ、泳いでいるなら、キリルにでも取れそうだった。
「なら、釣り、してみません?」
ミアキスはニコニコと言う。
「「したい!」」
二人は口を揃えた。
コロナ、カイ、キリル、ミアキスは並んだ。
3、2、1、0の合図で、釣りが一斉に始まった。
カイは、変な魚を釣った。
キリルは、なにやら高そうなツボをつり上げた。
そして、コロナは神龍魚を釣っていた。
あの、細腕である。
「筋肉ついてるなぁ。」
「確かに。」
その圧巻にキリルとカイは感嘆を上げる。
「王子は、素手でリンゴも割れちゃうんですよ。」
コロナの怪力を見慣れているミアキスはニコッと笑う。
「あ、それなら俺にもできる。」
「確かに。」
「うーん、王子はあの三節棍、地面につきたてちゃいましたよ。」
その言葉に二人は絶句する。
「今度、腕相撲してみると分かりますよ〜。」
そして、もちろん、釣り対決は、コロナが一番になった。
◇◆◇
「カイは海にいたんだろ?」
変な魚ばかり釣っていたカイにキリルは言った。
「海と湖は違うし、運もあるしね。それにどっちかって言うと、引き綱の方が得意だし。」
そんな話をしていると、コロナがやってきた。
「その壷、欲しいなぁ。」
コロナはキリルの持っている壺を見て言った。
立派な軍資金になる。
この軍の財政は釣りによって成り立っていた。
◇◆◇
美少年
4主→カイ、5主→コロナ
「かわいい、美少年ねぇ。」
そういって、ニフラーサはコロナやロイやカイを眺める。
「つうか、なんでお前ら、動じないんだよ。」
ロイ以外のメンバーは平然としていた。
「まあ、俺は関係ないし。」
他人事なのはキリルとルクレティアである。
「ごめんなさい、美青年は範囲外なのよ。」
ニフラーサはハートを巻き散らせながら言った。
それにロイは引く。
「え、別に悪い人じゃないみたいだし。」
キョトンとしているのはコロナとリオンだ。
「つーか、お前は?」
同意を得ようとカイの方を見る。
「これぐらい、ちょっと癖があるだけだと、思うけど。悪い人じゃなければいい、ってのは真理だと思うよ。」
癖があろうとなかろうと戦力になりさえすればカイはよかった。
ロイの苦労がまた1つ増えた。
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