サンタのお仕事
クリスマスの夜は、いつもと違い皆どこか浮かれているように見える。
吐き出される息は、寒さを示すように白いが、それと反対に人々は楽しげに頬を染めて家路を急ぐ。
家々から時折聞こえる子供達の笑い声が、とても温かく感じられる。
昔は自分もクリスマスが近付くと、無性にわくわくしたものだった。
……けれど、もうそれは過去の話だ。
自分が大人になった時、否、ソウルイーターを宿した時から自分にとってのクリスマスは全く別のモノとなった。
「クリスマスですよ!」
テーブルに手を突き、勢いこんで言うのは言わずと知れたユウだった。
お祭り事をこよなく愛する彼にとって、クリスマスは指折り数えて待つ行事の一つだろう。
その手の行事にあまり関心を持っていないナギは「それがどうした」という風だし、騒がしいのを嫌うルックは露骨にうんざりした顔だ。
祭り事は嫌いではない、どころか相当に好むテッドにしても、ユウの発言という事で警戒しているようにも見える。
そんな彼等を横目に、ケイは思いを馳せるように呟く。
「もうそんな季節なんだねえ……」
「そうですよ!」
盛り上がっているユウとは逆に、やけに盛り下がっているのはナギとルック。
「……年末年始は支出が増える」
「年末……魔術師の塔の大掃除……ああ、考えたくない……」
真冬の室内と野外並の温度差をユウとの間に生じさせている。
ユウに警戒しながらも、あからさまに気のない二人にテッドが呆れたように言う。
「お前等……年末の現実は後回しにして、クリスマスに夢を見ろよ……?」
「もう夢見る年頃じゃないんだけど」
完全三十路に足突っ込んでるし。
「夢を見る年齢制限はないって」
ねえ、ケイさん?
ぼやくルックに突っ込みつつ同意を求めるユウに、ケイは僅かに困ったような笑みを浮かべた。
「え?ケイさん?」
「んー。僕も現実派だからねえ……」
と言った瞬間
「えええええええええっ!!」
「在りえねえ!」とばかりに絶叫された。
「アンタが……?」
「ケイ……」
「……」
ナギ、ルック、そして親友までが「お前、自分を知れよ」という目で見てくる。
「何その視線。本当だっての。素直にクリスマスを楽しんでたのは子供時代だけだよ」
「何でですか?クリスマスなんて大人も普通に楽しんでるものですよ?」
ユウは不思議そうな顔をしているが、ケイにもそれなりの理由がある。
自分にとってのクリスマスが色を変えた切っ掛け。
「ソウルイーターを宿すようになってから……かな?」
「……ケイ……」
テッドが顔を曇らせる。
自分がこんな紋章を託したりしなければ、今でも当時の様に祝う事が出来たかもしれないのに。
自分のせいで、それは二度と叶わなくなってしまった……
悔やむような顔をしている彼の胸の痛みも、次のケイの台詞で霧散した。
「クリスマスって、自殺者が増える傾向にあるんだよ」
ソウルイーターを宿してから、気付くようになったんだけどさ。もう色んなトコで。
そう言った瞬間、苦悩を浮かべていたテッドの顔が間の抜けたものに変化した。
……
「……は?」
「いや、だから……ソウルもお祭気分?」
(ああ、そうだよ。ケイはこういう奴だよ……!!)
笑顔で首を傾げるケイにテッドの肩が震える。
「どんな祭りだ!!」
「……アンタも注目する場所が違うし」
そう力無くルックが呟いた時、それに便乗(悪ノリ?)するように、
「……血祭り」
ぼそりと呟くのは、言うまでもなくナギである。
「血祭りって……!」
「それは祭りじゃねえ!!」
たまに口開くと碌な事言わねえな、お前!とでも思いを込めてそうな勢いで叫ぶのは天間星二人。
突っ込むどころか手を叩いて乗るのはケイ。
「上手いっ!」
「上手くねえって!」
「ほら、赤いトコ一緒だし。赤といえばクリスマスカラーじゃん」
「寧ろ黒いよ!!」
「大体なあ!血祭りは他人を祭り上げるものであって!根本的に違うだろ!!」
「だからアンタの突っ込みも色々違うんだよ!!」
クリスマスから一転、血祭りの話題になった四人にユウがテーブルを叩きつつ叫ぶ。
「だーかーらー!何でクリスマスの話題が血生臭い方向にズレるんだよ!!」
クリスマス位、皆楽しく過ごしましょうよー。と子供の様に駄々をこねるユウ。
普段から楽しんでるだろ、と何人が思ったのかは知らないが。
それよりも彼が祭りを好むのは知っているが、今の態度は何か腑に落ちないものがある。
それは、ケイ以外の面々にしても同じ意見らしく……
「……何かあるのか?」
一同を代表し、テッドが眉を顰めた。
その言葉にユウの動きが一瞬止まり、頬に一筋の汗が流れた。
(やっぱり裏があったか……)
「……実はですねえ、バイトを頼まれてまして……」
「バイトぉ?」
仮にも一国の王であるユウに、どこの誰がバイトを頼むと言うのだろう?某バランスの代行者ならやりかねないが、そんな雰囲気でもない。どちらかと言えば……
「自分から立候補したの?」
「ええ、まあ……」
「どうしてまた?」
クリスマス真っ最中に?
訊ねると、ユウは目を逸らしつつ。
「……城にいると宰相に捕まるんで」
……成る程。
この忙しい年の末に、ただでさえサボり気味の国王にクリスマスを満喫させるなどさらさらないだろう。
余裕すらない、と言った方がより正確だろうか。
恐らく伊達や酔狂でなく切羽詰まっているだろう宰相を余所に、当のユウは手をぱたぱた振っている。
「いやー、ソレを口実に逃げようかと」
「そっちを優先させて良いの?」
「決める時に決めれば問題ないですよ」
「いや……今こそ決めるべき時なんじゃないのか……?」
流石に宰相が不憫になったか、尤もな突っ込みはテッド。
「それより、それが僕等に何か関係ある訳?」
思いっきり嫌な予感がしてます、という顔で訊ねるルックにユウが満面の笑顔で答える。
「早く終れば、遊べる時間が増える。早く終らすには人手は多い方が良いじゃん」
……何となくそんな予感はしていたが。
ナギが嘆息しつつ呟いた。
「……内容は?」
「クリスマス用お菓子の宅配サービスです」
……
このくそ寒い中駆け回れと?
無償で?
…………
「ふーん。じゃあ頑張ってね」
「スイマセン、爽やかに速攻帰ろうとしないで下さい」
席を立つケイを笑顔のまま引っ張るユウ。ケイも微笑みを絶やさず優しく言う。
「帰りたくなる心情を察して欲しいな」
「残される僕の心情も察して下さい」
「人の気持ちを百パーセント理解するなんて、誰にも出来ないよ」
「三割理解して貰えれば十分ですから」
「クリスマスに死神呼んじゃ縁起悪いし」
「あはは、縁起悪いだなんて。ケイさんなんて、素でクリスマスカラーじゃないですか」
悪いどころか、嵌まり役ですって。
「ユウもルックと組めば、十分クリスマスっぽいよ」
「ちょっと!勝手に僕を混ぜないでくれる!!?」
叫ぶルックはとりあえず無視する二人。
「問題なく赤と緑じゃないか。一組いれば十分だよ」
「う……」
ユウが口篭もった時、遠慮がちな呟きが聞こえた。
「俺は青いんで……」
「……黒に用はないな」
譲り合いの精神など何処かに忘れてきた二人のどさくさ紛れに、逃げる気満々な年齢三桁組である。そうは行くかとユウが空いている手でナギを引き止める。
「一部でも赤ければ問題ありませんから!」
「……ちっ」
「じゃあ俺は……」
青いからクリスマスとも縁遠そうだし、と往生際の悪いテッドも必死で引き込もうとするユウ。
「そこでトナカイ役ですよ!鼻赤くして!!」
必死すぎて、訳の解らない方向へ進んでいるが。
「……えーと、ユウ。それは灯り代わりなのかな?」
……歌にあった気がするし。
「絶対嫌だ!!灯りならヒカリ攻撃要員とやらを呼び集めて協力して貰えよ!」
ヒカリ攻撃要員三名とクリスマスカラーの少年達。
そんな一団が夜道を歩く図を想像してみる。
「……ねえ、それ何の団体?」
「……冬らしい一団だ」
不毛の季節、という感じで。色んな意味で寒々しい。
何となく生温かい気分になるルックとナギの耳に、ユウの叫びが届く。
「じゃあ、何ですか!?テッドさんは老体には寒さが響くとでも!!?」
「んなっ……!!誰が老体だ!俺は十分現役だ!!」
……テッドならきっとやると思った。
ケイがルックと同時に、やっぱりな、という息を吐くと、ナギが恨みがましそうな目でテッドを見る。
「……墓穴掘ったな」
「う……ってナギ、お前には無関係だろうが」
「……ある。君が老体を認めない以上、僕がそれを理由に逃げられなくなった」
「お前も往生際悪くなったな……」
しみじみ呟くテッドを見て一段落着いたのを確認し、ケイが再び口を開いた。
「ってか僕等が手伝う義務はないよね?」
「でも人が働いてる時に、知り合いは平和だと思うだけで、何か癪に障るじゃないですか!!」
力説するユウに、それが本音か……!とこの場にいる全員が思っただろう。そして
「……それには同意するが」
このナギの発言も、皆同じ意見だろう。
まあ、僕も同意見だけどね……と思いながらケイは窓の外、明るいクリスマスの夜景に目をやる。
ああ、城内のレストランじゃなくて街中の食堂に集めたのはこういう理由でか……
城内だと宰相さんの領域でもあるしね……
結局は手伝ってしまうのだから、大概自分達は人が良いと思う。
……多分そう思っているのは本人達だけだろうが……
配る菓子は、城内のレストランで作られるらしい。
入った瞬間に捕獲されそうなユウに代わって、テッドがそれを取りに行ったのだが……何やら表情が妙だ。
「で、どこに配達すれば良いんですか?」
訊ねるユウに、両手に菓子の入った大きな袋を預かってきたテッドが、複雑そうな顔で片方の袋を見せる。
「こっちがクリスマスも城で働いてる兵士用」
「……城……?」
ユウの笑顔がほんの少し引きつった。
それはそうだろう。城内ならば外よりも宰相に捕まる確率は格段に跳ね上がる。しかし一度引き受けた以上、やっぱり無理は立場上も、彼の性格的にも不可能に近い。
そんなユウに更に言い難そうに、トドメの一言が送られる。
「で、こっちはクラウスとかテレーズとか……重役用」
日頃の感謝を込めて、というやつだろう。
「あー……って事は……」
ケイの言葉にテッドが重々しく頷く。
「宰相用も含まれてる」
……
「ユウ……人生、諦めも肝心だよ?」
「僕は……最後の最後まで諦めたりしません……」
俯き拳を握り締めるユウ。そう、彼は決して諦めたりはしない。
そして、きっ、と顔を上げ
「僕は兵士分を配りに行きます!!」
良くも悪くも諦めが悪い。
胸を張ってまだマシな方を選択した。
まあ、勇気と無謀は違うけどね……上手く動けば大丈夫か……城内かくれんぼは慣れてるだろうし。
兵士達なら口止め、という手段もある。
そしてユウはクリスマスカラー組にされたルック、そしてケイと同じ組にすると二人揃って逃げかねない、という意見の元にテッドもメンバーに加え(人質)、兵士達の姿を探していた。
そこで響いたのは叫び、と言うより雄叫びだった。
「うおおおおおおっ!!ユウ様発見したぞー!!」
「何いっ!本当か!!?」
「よっしゃああああああっ!!」
「良くここへ来て下さいました!!」
戦争時の士気に勝るとも劣らない勢いである。
「……ねえ、これ、何の騒ぎデスカ……」
顔を見せた途端、行方不明者を発見したかのような騒ぎになる兵士達に流石にビビりつつユウが呟いた。
「ある意味当然の反応だと思うけどな……」
「彼等も折角のクリスマスに国王の捜索なんざしたくないだろうしね」
こちらの組に回されたルックとテッドが遠い目で呟く。
とりあえず、共犯者と思われるのは勘弁して欲しいので積極的に中に入ろうとはしない。
兵士達の方も、少し離れた場所で立ち尽くしている二人には構わずユウに笑顔で近づいて来る。目には涙すら滲んでいるようにも見える。
「ユウ様、良かった……何よりのクリスマスプレゼントですよ……」
「だから何が……!!?」
手にある菓子の事ではあるまい。菓子一つで大の男が騒ぎはしないだろうし、何より彼等の目は菓子ではなく、それを持つユウ自身に注がれている。
(……素で怖いんだけど……)
目を輝かせる男達を前に、本気で逃げ出したくなったユウである。
そしてその異様な状態は、ここの兵士だけではなかった。
その場はどうにか逃げ、次の場所に向かった時も同じだった。
「ユウ様だああああああっ!」
「幸福の使者ー!!」
「お待ちしてましたあああああああああああっ!」
「訳解んねえし……!何、僕アイドル……!?」
「馬鹿言ってないで、とっとと菓子置いて逃げるぞ……!!」
「この城どうなってる訳……?」
(((変なウィルスでも蔓延してるのか……!?)))
終ったら、衣服は焼却すべきかもしれない……
そんな思いを胸に、三人には城内を疾走した。
さて、ユウ達が菓子を兵士達に見つからないようひっそり置き、即座に逃げるという時限爆弾設置の様な真似をしている頃。突っ込み不在の二人組は珍しい事にこれと言った事件もなく、割り振られた仕事の殆どを終えていたのであるが……
「どうしたもんかなー……」
一枚の紙を見つめ、ケイは息を吐いた。
菓子を配りに行った際、クラウスから手渡されたものだ。
「……」
ナギは無言だが、その目は紙のある一部分に釘付けとなっている。
「報酬は破格なんだけど」
「……ああ」
それは一枚の手配書だった。クリスマスにまでご苦労な事だと思うが、クリスマスだからこそなのかクリスマスも関係ないのか、中々上手な似顔絵の上にそこそこ魅力的な数字と文字が並んでいる。
それだけでも十分惹かれるのだが、余程重大らしく本日中ならば更に上乗せされるようだ。自分達にとっては嬉しいクリスマスプレゼントになりそうではある。
「……明らかに僕等向けではあるけどねえ」
手強そうな相手だし。
「やるか……?」
「とりあえず、ユウ達と合流してからだけどね」
言いながら、ケイは外に見える一つの商店に目をやる。
ソレの値段は大した事はないだろう。報酬額と比べなくとも、財布には響かない。
「……一応小道具は買っておくかな」
「えーと、こっちも終りましたー……」
「疲れた……」
「何なんだ一体……」
息を切らしながら、部屋の一室に戻った三人は入った途端ふらふらとへたり込んだ。
先に戻っていた二人が眉を顰める。
「何があったの?化け物でも出た?」
「……持久走か?」
化け物など返り討ちにしそう、と言うか絶対にするであろう三人が息も切れ切れとは珍しい。
誰が一番早く配り終えるか、競争でもしたのだろうか?テッドはともかくルックが乗るとは到底思えないが……
「いや、色々あってなー……」
やや遠い目をするテッドが気にならなくもないが、それよりも大事な事がある。
「ま、良いけどね」
その調子からして、重大な事件でもなさそうだし。
あっさり言ってケイはユウの腕を取り、ナギに微笑みかけた。
「じゃあ、最後のプレゼント配りと行きますか」
「……そうだね」
「最後?」
「?まだ終ってなかったのか?」
「……そして僕のノルマは終ってんですけど……」
「どうしてもユウが必要なんだよ」
「?」
訝しげな顔の三人を余所に、ナギが取り出したのは先程ケイが購入した明るい緑色のリボン。
これならユウの赤い服に良く映えるだろう。
……クリスマスカラーになるし(根に持ってる)。
「ユウ、動いちゃ駄目だよ。お楽しみはこれからなんだから」
そう優しげに微笑みながら、ケイはユウにリボンを巻いて行く。余った菓子を片手に、困惑した顔のユウ。
「えーと……何の話デスカー?」
「え?プレゼントの話だよ。やっぱプレゼントにはリボンは必須でしょ」
「何が誰への?」
「ユウが宰相さんへの?」
…………
「サヨナラ」
「……待て」
「待ちませんっ!」
「捕獲したら限定のまんじゅうが出るらしい……後、賞金も」
「はあ!!?」
「ねえ……何の話?」
「捕獲って……?」
「え?コレだけど」
眉を顰める三人にケイはクラウスに渡された手配書を見せる。
その羊皮紙に、結構な額が書かれている。そしてその手配されている人物の顔は……
物凄く見覚えがあった、どころか見慣れた顔だった。
「……もしかしなくても僕の手配書ですか?」
「本日中に捕まえたら、報酬が更に上乗せだってさ」
その部分の文字だけ殴り書きに近いところから、書き手のギリギリ感が伝わって来る。しかも赤で書かれているせいで、何となく血文字に見えなくもない。
「彼も必死だね……」
呆れたような目で言うルックとは逆に、ユウは拳を握り締める。
「シュウめ……!!国王に賞金かけるかフツー!!そしてあの兵士達の異様な反応はそれかーッ!!」
しかもポッチ+まんじゅうって時点で、対象が決定されてるし!!
「つーか反乱も起きてない自国で賞金かけられる国王って……」
「年末は仕事が溜まる時期だし?」
普段からサボり気味だし。国王から普通じゃないんだから、宰相が普通じゃなくても何も不思議はないよ。
「ま、クリスマス位サービスしてあげなよ」
「いや、クリスマスこそサボりたいんですが!!明日頑張りますから!!」
「……今日中じゃないと、報酬がねえ」
「報酬と僕の平和とどっちが大事なんですか!!」
悲痛な声で叫ぶが、四人の反応は外気の如く。
「報酬……だよなあ……無駄に走らされたし」
「……迷惑料くらいは貰っても罰は当たらないと思うけど?」
「バイト料、バイト料」
「….…ボランティアって言葉はないですか?」
「……労働には報酬が必須だ」
「うわああああっ!薄情者共ー!!」
笑いが溢れるクリスマスの夜、デュナンの城に国王の悲痛な悲鳴が木霊した。
自分にとってのクリスマスは、やはり子供時代に迎えたものとは違っている。
死の影はどこにいても感じ取れる。そう、今もどこかで誰かの魂が離れるのを感じている。
当時一緒に祝った人達も側にはいない。
それでも笑いが絶えないのは、多分一人じゃないからだろう。
「仕事終ったら、日にち遅れでもケーキ食べようね」
「賞金で、結構豪勢に出来るかもよ?」
「そのお金は僕の身売り代ですよねー?」
「……金には変わりない」
「ま、頑張れよ」
「宰相の方が死にかけてるだろうけどね……」
口々に言う四人に、どんよりした目でユウが呪詛でも呟くようにうめく。
「死んだら責任取って下さいよー……」
「大丈夫。お祭気分のソウルが準備万端で待ってるから」
「……墓の管理くらいなら」
「じゃあ俺は花でも」
「年に一回位は墓参りしてあげるよ」
「……ぜってえ死なねえ……」
「ぼんやり虚空を」のサイト様のフリー小説です。ものすごく笑えて楽しかったので、フリーだったものをいただいてきました。